美しい海に惹かれて「行きたい!」と思っても、泳ぐ以外に何ができるのか想像しにくいモルディブ(モルジブ)。
実際には、様々なツアーが毎日催行され、観光でアクティブに過ごすことも可能。ツアーを利用せずに個人でマーレ観光などを楽しむ人もいます。
今回は、そんな『モルディブの観光事情』についてお届けします。
目次
有名な見所は?
モルディブは小さな国。国土は300km3ほどで、淡路島の約半分程度しかありません。
なので、
「国内の見所を巡る」
というよりは
「“モルディブという1つの見所”を様々なツアーで多面的に楽しむ」
というのが、モルディブの観光スタイル。
後述する『ハニファル・ベイ』『首都マーレ』などの特殊な場所を除けばどこも似ているので、同じように素晴らしい観光が期待できます。
一番の見所は『自然』
モルディブでは、やはり海などの自然を楽しむツアーがオススメ。下記のようなツアーは催行しているホテルも多く、非常に人気です。
シュノーケルツアー
ある程度泳ぎができる人の多くが参加するのが『シュノーケルツアー』。絶景スポットでのシュノーケル体験が期待できる。
シュノーケルは滞在島で楽しめることも多いが、ボートで10〜20分程度離れただけでも、手付かずの自然が広がる別世界に行けるとあって大人気だ。
◆名所『ハニファル・ベイ』
ユネスコ自然保護区に指定されている『ハニファル・ベイ(Hanifaru Bay)』。マンタが回転しながら大量のプランクトンを捕食する通称“ぐるぐるマンタ”で世界的に有名なスポットだ。
動画を見てまず驚くのは、無数のマンタ。運によってはここまでマンタが多くないこともあるが、逆に運が良いとジンベイザメに会えることも。しかも、誰もがこんな至近距離でマンタを拝めるスポットなど世界中を探しても珍しい。
場所は『バー環礁(バア環礁/Baa Atoll)』。水上飛行機または国内線で行くことができる。
この環礁内だけでも1万種以上の海洋生物が生息しており、環礁全体が『ユネスコエコパーク』に登録されている“海の楽園”だ。
◆マンタシュノーケル 、ジンベイシュノーケル
その名の通り、マンタやジンベイザメのスポットを訪れるシュノーケルツアー。巨大なマンタやジンベイと一緒に泳げるとあって、極めて人気が高いツアーだ。
アリ環礁南部には年間を通してツアーを催行しているホテルもあるが、基本的には季節限定ツアー。興味がある人は、旅行会社等に問合せてみよう。
◆その他のシュノーケルツアー
滞在する島や季節に応じて「一番良いモルディブを見せよう」としてくれるホテルが多く、様々なテーマシュノーケルが開催されている。
ウミガメと一緒に泳ぐ『タートルシュノーケル』、カラフルな“サンゴの庭”と群れる熱帯魚を楽しむ『コーラルガーデン・シュノーケル』など、その種類は様々。
特にテーマを冠していない(『シュノーケルトリップ』などシンプルなツアー名がついている)場合でも、かなり良質なポイントに連れて行ってくれることもあるので、ツアーの説明書きを読んだり、スタッフに「何が見られる?」と質問してみるなど、内容をチェックしてみよう。
ドルフィンウォッチング
イルカを観るツアー。海に入らず、船の上で楽しむことができ、老若男女問わず人気だ。
朝または夕方に、流線型が美しいモルディブの伝統船『ドーニ』などで出航する。スタッフはイルカを見つけるのが上手なので、のんびり海を眺めて遭遇を待とう。
運が良いと、イルカが船の周囲を伴走するように泳いでくれることもあり、ビデオに残したくなるほど美しい光景。感動すること間違いなし。
モルディブには複数種のイルカが生息しており、放射線状にジャンプするものから、ドリルのように体をねじりながジャンプするものも。見たイルカの種類が気になった時には、スタッフに聞いてみるか、ネット検索などで調べてみよう。
サンセットクルーズ
船上でカクテル等を頂きつつ、水平線に沈む夕日を観に行くツアー。
ロマンティックな情景をゆったり楽しめるとして、カップル人気が特に高い。
夕暮れ前(16:00〜17:00頃)に、モルディブの伝統船『ドーニ』やクルーズ船、ヨット、カタマラン(双胴船)などで出港。静かな沖で停泊し、シャンパンやカクテル、カナッペ等を片手に、ドラマティックに色を変える空と海を満喫できる。
同じ頃が多くの海洋生物の食事時間とも重なるので、クルーズの途中で熱帯魚の群れやイルカなどを見かけることも。
割高にはなるが、自分たち以外のゲストは参加できない『プライベートツアー』として訪れるのも人気だ。
サンドバンクor無人島ツアー(ピクニック)
サンドバンクとは砂州(砂の島)のこと。真っ白な砂とクリスタルブルーの海のコントラストが、究極にフォトジェニックだ。
無人島とは、文字通り人の住んでいない島。ツアーで訪れる無人島は快適に整備された『ピクニック島』であることも多く、パラソルやビーチベッドなども設置されたリラクシングな空間だ。
ランチや飲み物付きで、サンドバンクや無人島でビーチ・ピクニックをボートで訪れるツアーが多い。割高にはなるが、自分たち以外のゲストは参加できない『プライベートツアー』として訪れるのも人気だ。
サンドバンクへは“The モルディブ”と言える絶景を、無人島はホテル内とは違う時間を期待できる。
フォトフライト(遊覧飛行)
水上飛行機に乗り、空からモルディブを眺めるツアー。
『島々の花輪』や『真珠の首飾り』とも称されるモルディブの青い海と白い砂、島の緑が作り出す絶景が楽しめるとあって人気。写真好きでなくとも、シャッターを押す手が止まらなくなる。
南北マーレのリゾートなど、水上飛行機の基地から近いエリアでは催行されていることが多い。
その他のエリアの場合、有料のツアーに参加しなくとも、水上飛行機や昼間移動の国内線・国際線からも多少の景色は楽しめるので、ぜひ窓側の席に座って外を眺めてみよう。
エイなどの餌付けショー、餌付け体験
エイなどに餌付けをしているリゾートも多く、毎日夕方に餌付けを見ることができたり、自分で餌をあげる餌付け体験ができることもある。
毎日夕方の決まった時間に所定の場所に集まると、スタッフがエイや集まっているその他の生物について説明をしながら餌付けの様子を見せてくれる。1m以上あるエイが立ち上がったりすることもあり、意外と迫力がある。
エイの尻尾には毒針があるが、リゾートで餌付けされている個体については処理されていることがほとんど。なので、危険はほとんどない。
文化体験も見逃せない!
モルディブ人の生活に触れたり、伝統音楽を楽しむこともできます。
ローカル島訪問ツアー
モルディブ人が生活する島を訪れて、文化体験や買い物ができるツアー。
訪れる島により多少の違いはあるが、
「これが、モルディブの田舎かぁ…」
というのんびりした雰囲気を体感することがメイン。見所も少なめで、土産物店や地元の商店で買い物もできるが、どれも品揃えの少ない小さな店が大半ではある。
とは言え、モルディブのローカルスナックが買えたりなど“小さな楽しみ”は多く、地元民の穏やかな生活を擬体験できるとして人気だ。
写真好きにも評判で、元気で可愛い子供たちやカラフルな色の家々など、撮りたい風景がたくさん出会える島もある。
アイランドホッピング(島周遊ツアー)
ローカル島/サンドバンク/無人島/(滞在先ではない)リゾート等、複数の島を短時間ずつ巡るツアー。訪れる場所の組合せは主催するホテルによって内容は異なるが、様々な島の様子を一気に楽しめるとあって人気。
リゾート訪問にはランチ等が含まれていることも多く、気軽に滞在先以外のホテルを楽しめるのは嬉しい。
マーレ観光ツアー
モルディブの首都『マーレ』の街歩きを楽しむツアー。南北マーレ環礁のホテルでは催行されていることも多いが、水上飛行機や国内線で行く滞在先では催行されていないことが多い。
ツアーで訪れる主な場所は;
- 黄金のドームが秀麗なモルディブ最大のモスク『イスラミックセンター』
- フルーツやお土産用のモルディブ菓子等も買える『市場』
- コロニアル風の美しい建物『ゼヤラス墓地』『ムリー・アーゲ(大統領官邸)』
- サンゴ石で建てられたモルディブ最古のモスク『フクル・ミスキー』
- 通りすがりに見ることができる官公庁のオフィス
- お土産物屋やスーパー等での買い物
など。お茶やランチの時間が設けられていることもある。
有名な見所は徒歩圏内に集まっており、また、1つ1つが小規模なので、2時間程度で周ることができる。
ボドゥベルショー
『ボドゥベル』とはモルディブの伝統楽器である太鼓と、それを使った音楽のこと。
リゾート到着時の歓迎音楽としてもポピュラーで、特別なツアー等に参加しなくても観られることが多い。
生演奏のボドゥベルとダンスを組合せたショーを開催しているリゾートも多く、滞在中に1回程度は見る機会があるかもしれない。1つの太鼓で穏やかな音から力強い音まで打ち出すテクニックに感嘆することだろう。
『モルディビアンナイト』と呼ばれるローカル料理のビュッフェと共に開催されるケースもあり、スパイシーで魚の旨味がギュッと詰まったモルディブ料理に舌鼓を打ちつつ、ダイナミックなボドゥベルを楽しむのも格別だ。
ラインフィッシング
“釣竿を使わない釣り”がモルディブの伝統漁法。それを体験できるツアーも催行されていることが多い。
モルディブの伝統船『ドーニ』で沖に出て、太めの釣り糸を海に投げて魚を釣るのだが、これが意外と難しくて楽しい。時には、ビギナーズラックで大物を釣り上げるゲストもいる。
釣った魚を調理してくれるホテルもあり、自分で釣り上げた新鮮な魚をBBQなどで頂くことができる。
マリンスポーツも人気
いわゆる『観光』ではないが、マリンスポーツも人気。
『パラセイリング』のように景色や“空を飛ぶ感覚”を楽しむものから、カヌーやSUP、バナナボート、水上バイク、シーボブなど、ホテルによっては様々な選択肢がある。
サーフィンやウィンドサーフィン、カタマラン(双胴船)なども気持ちよい。初心者はレッスンを受けてから挑戦してみよう。
希望の観光ツアーに参加するには?
滞在先のホテルが催行する観光ツアーに参加するのが基本。
ただし、マーレ観光はスケジュールが合えば(「国際線搭乗までに空き時間がある」など)、個人で行くことも可能。その場合には、ホテルスタッフや旅行会社の現地スタッフに相談してみましょう。
観光ツアーの催行状況は?
旅行会社やホテルに質問をすれば、どのツアーが催行されているかを教えてくれます。
また、特定の観光ができることを条件にホテルを選びたい時には、旅行会社にお願いするのが確実。普段利用している旅行会社等にお願いするか、『タウンライフ旅探し』などを利用するのが良いでしょう。
モルディブの物価は?
首都マーレやローカル島などの街歩きをする場合に気になるのが「物価」。
ザックリした表現になりますが;
- 一般的な飲食店は日本と同程度、または、それより少し高い。
- ローカルフードは日本より安い。
- スーパーなどで買うものは千差万別。
と覚えておきましょう。
例えば、観光客やオシャレな人が行くようなカフェの場合、コーヒー1杯で250円くらい〜400円くらい。
インスタントコーヒー(ネスカフェと表示されるのが一般的)は160円前後、スムージーやフラベチーノ的なものは500円超えが一般的です。
軽いランチ+飲み物だと、1,000円〜1,500円くらいですかね。
ただし、実はコレ、“観光客やオシャレなモルディブ人” 物価であって、一般的なモルディブ人はもう少し値段を抑えて毎日を楽しんでいます。
例えば、「ホター」と呼ばれるローカルな喫茶店であれば、「ヘディカ(モルディブ風サモサ)」が1つ20円前後(お店やヘディカの種類に寄る)。ミルクなしの紅茶も80円くらい。
ちなみに、ホターには男性が多いのですが、観光客なら女性でも気にせずお茶してOK。誰も気にしません。
または、ホターでヘディカやお水、ジュースなどを購入して、近くの公園やビーチで食べるのも良いですね。
スーパーの品物は価格が千差万別ですが、小さな個包装売りのお菓子なら、1つ数十円のものもたくさんあります。
ちなみに、スーパーや前出のオシャレなカフェなどでは、クレジットカードも使えるのが一般的(ビザやマスターに限る/JCBは使えないことが多い)。現金はホターなどで使う程度でしょうから、多くは必要ありませんよ。
その他、気をつける点などは?
治安も比較的安定しており、言語も“カタコト英語”で何とかなることが多いモルディブ。
デング蚊などがいる可能性もあるので、虫除けをしっかりすることは大切ですが、それ以外に大きな注意点はありません。
ただし、基本情報を知らないと思わぬトラブルに見舞われたり、損をしてしまうこともありますので、当サイトの「場所、言葉、緊急時対策!知っておくべきモルディブ基本情報」やガイドブックの基本情報ページなどには目を通しておきましょう。
まとめ
モルディブの観光は自然がメイン。奇跡のような大自然を、目で見て、身体で感じて、写真にも残して、しっかりと自分の記憶に焼きつけることができます。
ツアーは有料が多く、たくさん参加すると費用もかさむかもしれませんが、なかなかできない貴重な体験も多いので奮発したいところです。
ホテルに到着したら、早めにツアー(『エクスカーション』と呼ばれています)のリストを確認するのがオススメ。定員や催行曜日などがありますので、
「参加しそこなった…!」
などと後悔することがないよう気をつけましょう。