ベストシーズンは?モルディブでダイビングを楽しむ基礎知識

ダイビング基本情報モルディブ(モルジブ)は世界屈指のダイビング天国。

ジンベイやマンタ、サメ類のような大物から小型の熱帯魚、美しい造形のサンゴ、沈船、洞窟…モルディブ全土で夢のようなダイビングが楽しめます。

ダイバーはもちろんのこと、ノンダイバーも体験ダイビングに挑戦! あまりの美しさに感動し、そのままモルディブでライセンス取得…なんて話も珍しくありません。

そんなモルディブのダイビング事情について、今回は特集します。

※ノンダイバー向けの情報については『ノンダイバーのためのモルディブ・ダイビングガイド』をご参照ください。

費用はいくら必要?

一概には言えませんが、宿泊代とダイビング料金のは比例しているのが一般的。

つまり、高級リゾートの方が1本当たりのダイビングの価格も高く、安いホテルの方がダイビングの価格も安い傾向にあります。最近は格安で泊まれるローカル島のゲストハウスが増えているので、価格が旅費が気になる方は要チェックです。
※ローカル島とは、一般のモルディブ人が住む島のこと。詳細は『旅費が格安なローカル島の楽しみ方』『モルディブを格安で楽しめるローカル島を紹介』をご参照ください。 

なので、宿泊代とトータルで考えると下記の通りです;

  1. 高級リゾート:ダイビング代も高い。ただし、細かなケアが行き届いており、初心者でも緊張せずにダイビングができる。
  2. 格安リゾート:『1』よりは安い。ダイバーに人気のリゾートも多く、特に中級ダイバー以上にとっては居心地が良い。
  3. サファリボート:『2』よりさらに安い。
  4. ゲストハウス:『3』と同程度が、または、さらに安い。。

具体的な金額は季節等によっても大きく変わるので、本記事の『宿泊予約の方法は?』の項を参考に、一括5社から無料見積もりを取り寄せてみるのが一番でしょう。

 

何が見られる?

ジンベイザメ季節や場所により異なりますが、ジンベイザメマンタのような大物狙いのダイバーが多くモルディブを訪れます

実際にそれらの海洋生物への遭遇率も高いですが、その他の海洋生物も豊かなのがモルディブの良さ。モルディブやインド洋の固有種も含め、大小様々な海の生物を楽しむことができます。

サンゴ礁の美しさも見もので、巨大なテーブルサンゴや洞窟に密集するカラフルなサンゴなど、フォトジェニックな風景が広がっています。

特殊な地形は多くありません(スポットの開発が進んでいるところなので、今後見つかる可能性はあります)が、洞窟沈船サンゴの森が続くドロップオフなど、ある程度のバリーエーションは楽しむこともできます。

 

どの環礁(地域)へ行くのがベスト?

モルディブは、国の全土に良質のダイビングスポットが広がるダイビング天国。どこへ行ってもダイビングを楽しめます

ただし、地域毎に多少の特徴はあるので、概要をご紹介します。


北マーレ環礁南部

空港や首都マーレに近く、滞在先の島までのアクセスが抜群。格安で泊まれるローカル島(フルマーレなど)も複数ある。ダイビングスポットの開発も進んでおり、マンタポイントから沈船まで何でもある。混み合っている印象を受けることは稀だが、有名スポットには複数のダイビング・グループが一度に訪れることもある。

北マーレ環礁北部

こちらも滞在先の島が空港からボートで50分前後の好アクセス地区。スポットの開発が比較的進んでいるが、多くのダイビング・グループとかち合うことは少ない。マンタなどの大物が狙えるスポットも点在する。

南マーレ環礁

こちらも滞在先の島が空港からボートで20〜60分前後の好アクセス地区。北マーレ環礁との間を流れる『ヴァドゥ・チャネル』と環礁の東側に人気のスポットが集中しているので、その辺りのリゾートやローカル島(マーフシなど)はダイビングに便利。空港からボートで行けるアクセスの良さと海の質を兼ね備えた人気のエリア。

アリ環礁南部

ダイバー人気の高い地区。特にマンタジンベイザメを狙うダイバーに人気で、スポットが複数あるため、一年中、どこかにはマンタやジンベイが出没している。

アリ環礁北部&ラスドゥ環礁

こちらもダイバー人気の高い地区。魚影の濃さで有名な『フィッシュ・ヘッド』や何度も訪れるファンまでいる沈船スポット『ハラヴェリ・レック』など、バラエティ豊かなダイビングが楽しめる。

バー環礁

“ぐるぐるマンタ(ぐるぐると回転しながら泳いでプランクトンを捕食するマンタの群れ)”で有名なユネスコ自然保護区の『ハニファル・ベイ』を有する環礁。ハニファル・ベイはダイビング禁止(シュノーケル可)だが、当然、近辺には良質なダイビングスポットが多く、マンタジンベイザメとの遭遇も期待できる。

ガーフ環礁(ガーフ・アリフ環礁&ガーフ・ダール環礁)

世界一の大環礁であることから、地域内の海の深さも随一。豊かな生態系を囲う“天然の水槽”となっている。以前はサファリボートでしか訪れられなかったが、近年はリゾートが増えており、マンタやジンベイ等が狙えるスポットもある。

その他の環礁

上記に挙げた以外の環礁でも、もちろんダイビングは楽しめる。まだスポット開発途上の環礁も多く、手つかずの自然が楽しめる穴場も多い。


また、行き先の環礁を決めず、ダイビング・サファリに参加するのも◎。

季節等によって『マンタ・サファリ』のようにテーマサファリを運行していることもあります。そうでない場合でも、日本人向けのサファリを選べば、日本人の好むポイントを回ってくれるので満足度が高いでしょう。

 

いつがベストシーズン?

ダイビングに最適な季節・時期については、地域毎に細かく分かれますが、

「一年中、国内のどこかはシーズンインしている」

とだけは言えます。

例えば、マンタを例にとってみると下記の通り;

  • 北マーレ環礁北部のスポット(西側):12〜4月頃
  • 北マーレ環礁南部(東側):6〜10月頃
  • 南マーレ環礁(東側):6〜10月頃
  • アリ環礁:11〜5月頃にシーズンイン&6〜10月頃にシーズンインするスポットの両方がある
  • バー環礁(東側):6〜10月頃

プランクトンを求めて移動するマンタやジンベイの場合、季節風が遭遇率を左右するため、滞在する島が「環礁の東西どちらに位置するか?」が重要ではあります。

雨季(5〜11月頃)には海の透明度がやや下がる傾向はありますが、問題のあるレベルではないことが多いでしょう。むしろ、マンタやジンベイが増えるスポットが多い『ダイビングのベストシーズン』とも言えます。

雨季に降るのもスコールが多く、

「滞在中ずっと・一日中降っている」

という状態になるのは年に数回。運が悪くなければ、さほど影響は受けません。

 

滞在先選びのポイントは?

通常、モルディブではどのホテルに泊まってもダイビングが楽しめますが、選ぶ際のコツがいくつかあります

  • 英語に自信がない場合、日本人(または日本語のできる外国人)インストラクターのいるホテルを選ぶ。
    (言葉が通じると、ブリーフィングが理解できてより興味深いダイビングが楽しめるだけでなく、万一の緊急事態が発生しても心配が少なくて済むため。)
  • 1本でも多く潜りたい場合には、スピードボート移動のホテルに行くか、サファリボートに乗船するのがベスト。
    (水上飛行機や国内線だと移動に時間がかかり、また「飛行機に乗る24時間前以降はダイビング禁止」のルールを守らなければいけないため。)
  • ハウスリーフが良い(滞在している島が良質のサンゴ礁に囲まれている)ホテルの方が、割安にダイビングが楽しめることが多い。
    (ダイビング・ポイントまで移動するボート代がかからないため)
    ※潜る本数が少ない場合には、さほど大きな違いにならないこと。また、料金を気にしないのであれば、ハウスリーフがないホテルでも問題はない。
  • モルディブを格安で楽しめるローカル島を紹介』に記載した島以外のローカル島に滞在する場合には、念のため、ダイビングができるか?を確認しておく。
    (ごく稀に、ダイビングサービスが提供されていない場合もあるため。)

以上は必須ではありません(例えば、英語ができなくても、外国人インストラクート身振り手振り指差しで十分にコミュニケーションが取れる人もいます)が、気になる人は押さえておきましょう。

また、サファリボートの場合;

    • 「経験本数:50本以上が目安」などの乗船基準を設けている場合もある。
      (ゲスト全員のレベルを一定以上に合わせることで、乗船者全ての安全に配慮しつつ、ベストなダイビングサービスを提供することが目的。)

ということも、乗船を希望する際には頭に入れておきましょう。

 

宿泊予約の方法は?

泊まってみたいホテルやボートが決まっている場合には、直接問合せてみるのも良いでしょう。

それ以外の場合、簡単さと専門性から『モル旅.com』が推奨しているのは、『タウンライフ旅探し』の利用。最大5社の専門旅行会社から一括でツアー提案をしてもらえる無料サービスです。

リゾートやホテルだけでなく、サファリボートの予約も可能なことが多いので、希望する方は、その旨を『旅行のご要望』という欄に記入しましょう。

『タウンライフ旅探し』とは?

タウンライフ旅探し』は、いわゆる“旅行見積もり一括サイト”。

1つのフォームを送信するだけで、最大5つの“モルディブに強い専門旅行会社”から『見積もり付き提案』が無料でもらえる便利なサービス。

各社オススメのホテルやツアーの値段を比較しながら、旅のプランニングができるとして人気です。

使い方は、リンク先で

  • エリア→リゾート地
  • 国→モルディブ

を選択し、モルディブの見積もり依頼ページに移動します。あとはフォーマットに沿って必須事項を記入していくだけ。

『旅行のご要望』の箇所に、希望するダイビングの特徴(「マンタが見たい!」など)を記載しておくと、より希望に合ったツアーの提案をしてくれるでしょう。

見積もり依頼先は、口コミなどで評判の良い旅行会社や自宅や職場に近い旅行会社など選んでおくと良いと思います。迷う場合には;

  • エス・ティー・ワールド
  • 株式会社クオリタ(H.I.S傘下)
  • グルービーツアー

辺りを含めておくと、各々が特徴的な旅行会社さんなのでバランスが良いかもしれません。

 

注意点は?

ケアの行き届いたダイビングセンターが多いモルディブ。特にリゾートならブランクダイバー(しばらくダイビングをしていなかったダイバー)や初心者でも、比較的安心して潜れるのが一般的です。

特に高級リゾートは、慣れないダイバーの場合、機材のチェックから着脱まで手伝ってくれることもあり、まるで“姫ダイブ”といった雰囲気。

なので、特に困ることはないと思いますが、念のため知っておくべきことは下記の通りです;

      • Cカードログブックは持参する。モルディブではこの2つの確認がダイビングセンターはに義務付けられており、また、経験本数等に応じて最適なダイビングポイント等を選んでもらうための参考にもなる。
        ※万一、Cカードを忘れた場合には、認証団体(PADI等)のネットワーク等で確認できることもあるので、ダイビングセンターに相談を。
      • ダイビング初日には『チェックダイブ』がある。マスククリア(マスクの中にわざと水を入れてから抜く)やレギュレーター・リカバリ(レギュレーターをわざと外し、手を離し、それを再度口に戻す)など簡単な実技チェックだけだが、忘れてしまっている場合には、教材など見返しておこう。
        ※チェックダイブに通らない人は相当少ないので、緊張は不要。万一、通らなかった場合も、再度受けることができる。
      • 機材は全てレンタルできるのが一般的。ただし、年間水温26度前後と水温が高めのため、半袖・半ズボンで薄めのウエットしかない場合もある。寒がりの人やこだわりのある人は、ウエットを持参した方が懸命。
      • サンゴを破壊することは強く禁止されており、場合によっては罰金等の対象にもなる。サンゴを含めた海洋生物に触らないよう、グローブの着用も禁止されている。
      • 帰りの飛行機の搭乗時間から24時間前以降のダイビングは禁止国内線水上飛行機も対象になることも頭に入れておこう。
      • どの国でも一般的なことだが、ダイビング前に事故等に関する免責事項へサインすることになる。保険加入や体調管理を含め、全ては自己責任と認識しよう。

世界中どこでも同じですが、無理をせず“安全なダイビング”を第一に考えることは大切です。

特にモルディブでは、減圧症治療ののチャンバーがある場所が限られ、そこに行くために大金をはたいてスピードボートをチャーターしなければいけなくなることもあります。一般的な事故の場合でも、十分な治療ができる病院がある島も限られ、やはり移動にお金と時間、苦痛が生じることもあります。

「せっかくモルディブに来たのだから…」

と、無理をしてしまう気持ちもわかりますが、インストラクターの指示を守りながら、安全なダイビングを楽しみましょう。

 

まとめ

ダイバーなら一度は訪れてみたいモルディブですが、「お金がかかりそう…」と諦める人が多いとも聞きます。

確かに、タイなどに比べると価格は高い傾向にあります。

しかし、滞在先としてゲストハウスやサファリボートなどを選ぶことで、格安な旅を組むことも可能。実は、“手の届くダイビング先”であることも多いでしょう。

一年中、国のどこかがベストシーズンを迎えているモルディブ。思い立ったら一度、訪れてみることをオススメします。

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